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商品等表示(商品形態)(東京地裁H26.12.26 平成 25年(ワ)23579号)

 本件は、被告が輸入販売する左官用バケツが原告の商品等表示として周知な左官用バケツの形態と類似し、誤認混同のおそれがあるとして 不正競争防止法2条1項1号,3条1項に基づき、差止や損害賠償を求めた事案である。原告が特定した商品等表示の左官用バケツが商品等表示に 該当するか否かが問題となり、判決では、同バケツは商品等表示に該当せず棄却された。ここでは規範のみ紹介。

判示事項

商品形態の商品等表示該当性
「商品の形態は,商標等と異なり,本来的には商品の出所を表示する目的を有するものではないが,商品の形態自体が特定の出所を表 示する二次的意味を有するに至る場合がある。そして,このように商品の形態自体が特定の出所を表示する二次的意味を有し, 不競法2条1項1号にいう「商品等表示」に該当するためには,①商品の形態が客観的に他の同種商品とは異なる顕著な特徴を有しており (特別顕著性),かつ,②その形態が特定の事業者によって長期間独占的に使用され,又は極めて強力な宣伝広告や爆発的な販売実績等によ り(周知性),需要者においてその形態を有する商品が特定の事業者の出所を表示するものとして周知になっていることを要すると解するのが相当である。」


コメント

 商品形態自体が周知商品等表示に該当するという主張は認容されるにはハードルが高い。王道からすれば、意匠法や不競法2条1項3号で 対応すべき事件である。3号で請求するには販売から3年の制約があり、また、意匠権を有していないケースでこのような請求がなされることが多い。 2条1項1号は、あくまで周知表示の出所混同を防止するための規定であり、決して形態を保護する規定ではない。それ故、上記判示のとおり、 特別顕著性に加えて、長年の使用等により出所表示機能を果たしていることが要件とされる。商標法でいう3条2項に近く、 商品形態自体の立体商標が登録になりにくいのと同様に不競法2条1項1号で認容されるケースは稀である。